
娘のスクールで開催中のEnglish Weekですが、仮装の他に、学年ごとにメジャーイベントが開催されます。
小1は、英語の詩の朗読コンテストと、スペリングコンテストをクラス対抗で開催します。各クラス内で全員朗読して、Readingの教科担当とクラス担当の先生が代表者を決めます。スペリングも同じように英語教科の成績優秀生徒が代表に選ばれます。
フィリピンは、タガログ語と英語が公用語で、学校教育やビジネスでは広く英語が主要言語となっています。とはいっても各家庭や生活の言語は各地域ごとの言葉があり、セブだとビサヤ地方のビサヤ語(セブ語)を使用します。すると何が起こるかというと、英語教育に熱心な家庭では、両親が小さいころから英語しかあえて使わずに、アメリカ英語の動画をひたすら見て育ち、幼児から英語教育に熱を注ぎ、小1ともなるころには流暢で、きれいな発音の英語を話すようになります(いわゆる”ネイティブ”)。他方、家庭ではセブ語を使用している場合、やはり子供の英語の習得にばらつきが出ていて、読み書きや発音もまぁまぁの子供たちもいます。まぁまぁといっても私なんかより発音だいぶ上手で十分ネイティブレベルですが笑。英語が公用語のフィリピンでも家庭の考え方で幼児の英語レベルに差があるということです。
娘のクラスでも数人、とびぬけて英語の発音がきれいな子がいて、母的にはいつも話し方に注目している男の子がいました。ママはフィリピン人、パパはオランダ人。詩の朗読では、やはりその子が代表に選ばれました。各クラスとも、さすが代表なだけあって、発音はきれい。あとは声の大きさやトーン、ジェスチャーやコスチューム(今回はパジャマ姿)、アイコンタクトなどで評価されます。

スペリングコンテストは、かの有名な“スペリングビー(Spelling Bee)“スタイルで開催されました。スペリングビーは単語の綴りの正確さを競う競技で、アメリカが発祥のイベントです。今では世界各地で開催されていて、日本でも英語のアフタスクール、Kids Duoなどで取り入れられています。
表意文字を組み合わせて使っている我々からすると、2000語ぐらいの常用漢字さえ学習してしまえば、あとはひらがな、カタカナ、漢字の組み合わせで表現できるけれど、ただひたすらつづりを覚える必要がある英語はまさに幼児期からの単語量の積み重ね。
日本の英語教育だけで習得できる英単語は高校卒業までで3000語と言われています。 一方ネイティブの教育を受けた成人が習得している単語は2万~3万ともいわれています。フィリピンに移住してきてつくづく感じているのが、英語が公用語の幼児教育からさらされる英語のvocabulary量の圧倒的な差です。
このスペリングコンテスト。各クラス代表がステージ上にて、ホワイトボードに出題された単語を正確に書くことが求められます。先生が単語を読みあげ、その意味を述べて、例文を読みます。そのあとにスペルを一斉に書くのですが、制限時間が10秒前後です。簡単な単語から難易度が上がっていきます。小1でこれやるのすごいなぁ。クラス代表の子供たち、ステージ上でけっこうなプレッシャーです!正解すると歓声が飛びますが、一文字でも間違えるとブーイングまがいの声がクラスメートから飛び出します。これ、かなりえぐい笑。大人でもヤダ。
小1のスペリングコンテストはこんな問題が出ました。
●Easy Round
because, balloon, typhoon, awesome, heard, mosquito, receive, disease, piece, biscuit
●Average Round
couch, restaurant, caught, success, predicate
●Difficult Round
gymnasium, spaghetti, courteous
これをリスニング力だけで単語と解説を聞いて、スペルします。ちなみに私は、Typhoon、Spaghetti、Gymnasium、Courteousを間違えました。Courteous(意味:礼儀正しく、親切な)は意味さえ知らなかったです。

各コンテストが終わると、1位~3位が表彰されメダル授与されました。このメダル、先生から授与されるのかと思いきや、いえいえ違いました。
子供の保護者が登壇させられて、各保護者から子供にメダルをあげていました。ところ変われば、こんなにも変わるカルチャー。あくまで「親から頑張ったね!」と褒められるのが大切。フィリピンでは、とにかく、親と子、家族が主役なのです。
そして、フィリピンに欠かせない写真撮影は、まず親子、その次先生も加わって、最後は全員で撮影と段階を踏みます。各学校イベントは、写真、ビデオ取り放題、SNSアップし放題で個人情報管理なんてまるでなし。先生自ら、学校自ら、FBアップしてますからね笑。日本の個人情報管理が徹底される様子とはだいぶ違いますよね。慣れてしまえばフィリピンスタイルも子供たちの学校の様子が分かってけっこう楽しいものです。
クラス代表でコンテスト出場し、入賞できなかった子供たち。泣き出してしまう子供もちらほらいました。中には大号泣で泣き崩れてしまう子も。そうだよね、クラス代表で、ものすごいプレッシャーで、パパやママも見に来ていて、勝ちたかったよね。でも、ステージに上がれたのはほんの一握りだけなんだよ。すごいことなんだよ。この悔しい経験は、きっと今後の大きな糧になるとお母さんは思うよ。
今回、娘はイベント司会の大役を仰せつかりました。
日本から来たばかりで入学したての1学期に、クラスの男子に「英語がへたくそ」、とからかわれて泣いていた娘が(そのあと腹パンチでその男子を保健室送りにしたけど)、学年代表で英語コンテストの司会に選ばれたことは、母的には本当に感無量で、「あぁ娘はもうフィリピンでの学校生活大丈夫だなぁ」、となんとなく一区切りに感じました。
イベント大好きなフィリピン人の中で、イベントのMCというのはとても重要な役割で名誉なことです。イベント開始を告げる娘の第一声から最後の締めまで、娘の司会のセリフを聞き逃すまいと、母はコンテスト自体ではなく、司会のあなたに耳を傾けていたのでした。
終わって安堵し、脱力している娘。放課後、ご褒美に大好きなマンゴーシェイクとフライドチキンを学食で買ってあげました。また一つ、大きな経験できて良かったね。
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